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2万円前後のステレオはどれがよいか 『暮しの手帖 第86号』(1966年9月5日発行) [4:オーディオ関連]

 

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戦後の日本において、個人の家庭にもオーディオが普及し始めた1960年代半ば頃に「暮しの手帖」で特集されたステレオ・オーディオ機器の比較記事。

「暮しの手帖にオーディオ関連の商品テストはないか?」と過去の記事を検索していてこの特集記事を見つけました。幸い、近所の図書館にバックナンバーがすべて置いてありましたので、さっそく借りてきて読みました。

自分が小学生の頃、母親が時々買ってくる「暮しの手帖」をペラペラめくって読んでいました。人生哲学や結婚生活など、大人向けの記事にはまったく興味が湧かず「?」だったのですが、暮しの手帖の看板記事である「商品テスト」は子供にも分かりやすくインパクトのある内容でした。

記事の中に一貫して流れている「使い手からの視点で徹底的にモノの良し悪しを判断する」という哲学は、その後大人になってからも自分の中の価値観に大きな影響を与え続けています。

というわけで、オーディオを徹底的に商品テストしたバックナンバーがないか探してみたわけです。


 

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ここでとりあげた「2万円前後のステレオはどれがよいか」は、当時の暮しの手帖でオーディオ関連の記事を担当していた菅野沖彦氏によれば、もともと暮しの手帖に連載されていたレコードを聴くためにどういったオーディオ機器を選べばよいか、という読者の要望に応えたものであったとのことです。(1)


記事の内容は、商品テストの看板テーマである「耐久性テスト」のように、「レコードを何回かけたら壊れるか?」というハードなものではなく、コンパクトなサイズで値段も手ごろな(1.5~2万円ぐらい)のステレオを集団で聞き比べて音色を評価するというもの。

ちなみに、このような機種は「卓上ステレオ」「4帖半ステレオ」「1Kステレオ」と呼ばれていたようです。当時のアパート一人暮らしの若者が購入対象だったことがうかがえます。(そういえば「4帖半フォーク」という言葉もありましたね・・・)

消費者物価指数を考慮すると、現在と比較して当時は物価が1/4ぐらいなので、現代の感覚では6~8万円のオーディオを選ぶという感じでしょうか。

 

さて、肝心の記事の中身ですが、対象としたメーカーはサンヨー、東芝、ビクター、オンキョー、コロムビア、タクト、ナショナルの7機種。

商品テストは聴きやすさとデザインの2項目で、10代、20代、30代の男女70名をモニターとして、各10名ずつを小部屋に入れて試聴し、評価結果をまとめています。

評価結果はバラけるのでは、と予想していましたが、実際にはオンキョーが高い評価を得ています。

 

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(1) 第23回:『暮しの手帖』の商品テストで注目を集めた、オンキヨーのモジュラーステレオ(菅野沖彦 「ピュアオーディオへの誘い」)
http://www.phileweb.com/magazine/sugano/archives/2008/04/04.html


 


真空管オーディオハンドブック 加銅 鉄平, 森川 忠勇, 長 真弓 共著 [4:オーディオ関連]

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真空管を使ったアンプ製作の手引書。

真空管アンプに適するスピーカー、真空管規格表、製作実例などが豊富に収録されています。オーディオ関連本を調べていると、オーディオの発展の初期過程で重要な役割を果たした「真空管」の話題が必ず出てくるので、真空管に関する情報集めの一環として本書を調べてみました。


<ノート>

・録音・再生技術の進化ステップ
 1.真空管の発明と実用化
 2.トランジスタの発明と実用化
 3.デジタル録音の発明と実用化


・真空管の寿命
真空管には寿命があり、どんな優秀な製品でも必ず動作不能となる時がくる。


・内部抵抗
スピーカーのように負荷抵抗値が低いものを負荷とするために、それを振動させる出力管には低い内部抵抗値が要求される。


・デジタルオーディオ時代のスピーカーの特徴と問題点
☆アナログ時代の問題点
 - 録音時の低域の振幅制限
 - 再生プレーヤーのカートリッジのトラッカビリティー
 - アームのレゾナンス
 - ワウフラッター
 - トレース歪み
 - カートリッジの高域共振
 - 針の磨耗による高域劣化
 - 高音域でのチャンネルセパレーション(クロストーク)

☆再生周波数帯域の拡大と平坦化
デジタル化により20kHzまでの高音域の特性の劣化要因がほとんど解消されたため、スピーカーの高音特性の平坦化が強く求められるようになった。

☆ダイナミックレンジの拡大に伴う改良
65dB→90dBへダイナミックレンジが拡大された。
小レベルのS/N比が改善された。
小レベルの信号で非直線的な動作をしやすい接点や異種合金の接続などの電気回路の改善。
微小な振幅を完全に振動板に伝達する接点伝達部分の改善。

☆スピーカーの過渡歪みの低減

☆位相周波数特性の改善
チャンネルセパレーションの改善により、位相周波数特性がよくなり、音像定位や音場感が良好になった。


・真空管アンプに適したスピーカーの条件
①小電力駆動に適しているか。
②インピーダンスマッチングがとれているか。(ハイインピーダンスの真空管負荷に対して、ローインピーダンスのスピーカーボイスコイルをインピーダンス整合して、最適な負荷インピーダンスにマッチングさせる)
③ダンピングファクターは十分か。
④放熱に対して配慮されているか。


・リスナーの音圧周波数特性
スピーカーから出た音は、壁や天井で反射してきた音と先に出ていた音波が干渉して、強めあったり打ち消しあったりする。


真空管アンプを用いたオーディオ試聴会の心得
真空管のオーディオは音量が出ないので、そのための配慮が必要。スピーカーは高能率・出力音圧レベルの高いものを使う必要がある。


(2009/5/2記)

 


 

 

真空管オーディオハンドブック

真空管オーディオハンドブック

  • 作者: 加銅 鉄平
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

 

 


いい音が聴きたい―実用以上マニア未満のオーディオ入門 石倉俊著 [4:オーディオ関連]

翻訳・随筆家が本業の著者によるオーディオ解説。

全体観としてオーディオの音を整えるための基本姿勢は理解できたが、具体的な機器選定の段階になると予算しか判断基準が示されていないので不親切であると感じました。音の表現に関しても主観的であいまいなので、もう少し科学的な根拠に基づいて言葉を選んで欲しい、というのが率直な感想です。音作りのためのヒントとなりそうな項目をチェックしながら読んでみました。

 


 


<ノート>

・オーディオ機器の選定
オーディオの音を決定するのは「スピーカー」。他の機器はスピーカーで音を出すための手段。


・イヤホンは大事(B&OのA8を著者は使用)


・コンセントの接続
コンセントの接続によって音が変わる場合がある。コンセントは左側がアースに接地している。コンセントの切れ込みが少し長くなっている。オーディオ機器もどちらかがアースに接地されている。


・ヨーロッパの音
ヨーロッパの技術者は“原音再生”ではなく、「それらしい」音を目指した。例:タンノイ(英)


・スピーカーの設置と音の関係
壁近くにスピーカーを置くと低音が強調される。角度を内振りにすると、楽器の配置が分かり易くなるが、間隔が狭いと陰にこもった重苦しい音になる。
スピーカーの間隔を広げると、音がすっきりしてくるが、さらに間隔を広げていくと、やがて中央部の音が薄くなる「中抜け」を起こす。
壁に対して平行にセット:オープンで明るい音
壁に対して内振りにセット:明晰な音


・魂のこもった音
「魂のこもった音」とは、歌やソロ楽器の音に込められた微妙な抑揚がよく分かる音。中域の微妙な表現ができるもの。


・ウォークマン
ウォークマンを電池で作動させる場合、電源からの微小なノイズの影響がない。


(2009/2/8記)


 


 

いい音が聴きたい―実用以上マニア未満のオーディオ入門 (岩波アクティブ新書)

いい音が聴きたい―実用以上マニア未満のオーディオ入門 (岩波アクティブ新書)

  • 作者: 石原 俊
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本

 

 


オーディオマニアが頼りにする本① 桝谷 英哉著 (1982年)  [4:オーディオ関連]

 

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オーディオの選択および理論について考察した本。

オーディオの世界にまかり通る珍説について解説を試みています。主張に対する論理的な裏づけが足りないと感じられる部分があったり、比喩の表現に?と思わせるところが見受けられますが、他のオーディオ本にはない切り口で音に対して切り込んでいる内容に関しては、「こういう見方もあるのか」と気づかされるものがありました。



<ノート>

・大口径のスピーカー
口径が大きくなければ低音がでない、という考えは誤り。あまりにも口径が大きいと、振動部の慣性が大きすぎるために信号が止まってもコーンが震え続けるため、残響が大きく、ボンついた低音になる。


・良い音にするためのアプローチ
自分の持っている装置の悪い音をひとつひとつ無くしていくのが、良い音へのアプローチである。


・リスニングルームの特性
リスニングルームはデットに近い方が有利。音源には残響が含まれている。部屋の吸音材を増やすと、低音の締まりが良くなる。


・真空管の音
真空管はインピーダンスが大きいため、より低い周波数から影響が出始める。また、真空管を作動させるためには300-500Vの高圧電流と、それに応じたコンデンサが必要となる。


・トーンコントロール
トーンコントロールの回路は音を濁らせる。


マルチスピーカーの回路
マルチスピーカー作動させるために音域を分割しようとすると、コンデンサとコイルの影響で位相がずれる。


・機器の選び方
ユーザーがオーディオの本当の中身について勉強して商品の良し悪しを自分で見分ける力を持つ以外に、有効なコンポ選びの方法はない。

(2009/4/11記)


オーディオ・マニアが頼りにする本〈1〉

オーディオ・マニアが頼りにする本〈1〉

  • 作者: 桝谷 英哉
  • 出版社/メーカー: 青年書館
  • 発売日: 1988/04/15
  • メディア: -


長岡鉄男のわけのわかるオーディオ 長岡鉄男著 (1999年)  [4:オーディオ関連]

 

オーディオ評論家によるオーディオの全体感を解説した本。

機器の電気工学的な解説の定義に疑問を感じるところもありますが、「よい音を出すためにどうアプローチすればよいか」という点に関しては、著者の試行錯誤の跡が文章の背後からにじみでていて、参考になりました。

音を聴くことに対し、 ソフトウェア~ハードウェア~発音~聴覚能力 の各因子についてトータルにレベルアップしていくという基本概念を持っていることがうかがえます。

文中で「オーディオで最も大事なのは音波(音楽信号)から(スピーカーによる)音までの伝達・分析機能の正常化と以上信号の排除だが、これが理解されておらず、音波だけに全力投球するマニアが多い」と苦言を呈しています。

 



<ノート>

・音量
オーディオ好きな人々は、小音量派から大音量派までさまざま。演奏家は概して大音量派である。


・良い音と悪い音とは
良い音も悪い音もない。あるのは感覚的にいえば「好きな音」と「嫌いな音」。物理的にいえばソフトに忠実な音(ハイファイ)と忠実でない音(ローファイ:欠落や付加のある音)に分けられる。


・耳の能力
耳の能力の差は想像以上に大きいものであり、オーディオで最も大切なのは、自分の耳の特徴(感度、f特、許容能力、そして好み)を確認すること。


・スピーカーの低音域発生能力
スピーカーでは低音になるほど音の空振りが多くなる(=伝達効率が悪い)


・エージング
反りのある合板を使ってスピーカーを作ると、内部応力で突っ張っている。この状態のキャビネットは叩くと敏感に反応して、ボンボンとかビンビンとか鳴りやすい。このような残留応力はエージングで解消する。


・機器の筐体(きょうたい)構造と音の関係
アナログ・ディスク、CDとも共通するのだが、繊細な高域は回路の工夫や高品位のパーツの採用で達成できるが、ローエンドの重量感、瞬発力といったものは電源、キャビネットの強度といったもので左右されるようだ。


・ケーブル
ケーブルで音が良くなるか悪くなるかは分からない。ケーブルの接触によっては、音が変化する。ラインケーブルにはまだ分からない部分が残っているようで、オカルトの世界に近い。一番大事なのは理解して使うことではなく、信じて使うことだと言われる。

(2009/4/11記)


 

長岡鉄男のわけのわかるオーディオ

長岡鉄男のわけのわかるオーディオ

  • 作者: 長岡 鉄男
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 1999/10/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

 


基礎 音響・オーディオ学 小泉宣夫著 [4:オーディオ関連]

著者が大学で担当している音響学関連の講義録をもとにして、音響およびオーディオに関する項目を一冊にまとめたもの。

“音響学とオーディオの全体を見渡せる解説書”が本書の狙いであり、基本的な事項がまとめられていて分かりやすい内容です。

本格的に音響学を勉強したいのであれば、基礎固めのために手元に一冊置いておきたいと思いました。



<ノート>

・ピアノの音
最低は27.5Hz、中域は200~900Hz、最高は4186Hz。


・耳のしくみ
鼓膜は厚さ0.1mm。実効面積50mm2。2.5~3kHz付近に共振点。


・ピッチの感覚
1000Hz以下では、音の大きさの増大とともにピッチが下がり、2000Hz以上では逆にピッチが上がるように聴こえる。


・弦楽器の振動
弦の中心で弦をはじくと、正弦波振動の組み合わせが高調波(倍音)成分を作り出す。支持部付近ではじくと、その初期波形はのこぎり波状となり、より多くの高調波成分を誘発する。ピアノは低い音ほど、また強く打鍵するほど高調波成分が多くなる。


・母音の分析
平均的に男性は100~150Hz、女性が200~300Hz。

(2009/4/4記)


基礎音響・オーディオ学

基礎音響・オーディオ学

  • 作者: 小泉 宣夫
  • 出版社/メーカー: コロナ社
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 単行本

 

 

 


オーディオ基礎知識401 音楽之友社編(1985年) [4:オーディオ関連]

 

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CDが普及し始めた頃に編集された、オーディオ関連のノウハウを集めた本。複数の執筆者による記事から構成されています。主に音響に関する項目についてチェックしてみました。

現在よりもこの時代の頃の方がオーディオのノウハウについて盛んに議論されていたように感じられます。



<Note>

・オーディオシステム
まず決めるべきコンポーネントはスピーカー。理由は装置全体の音を支配するから。


・対立する音
“はじく音”と“こする音”は波形の点で両立しにくい。


はじく音・・・立ち上がりの鋭い、衝撃的な波形。(ギター、ピアノ、弦楽器のピッィカート、金管楽器)
こする音・・・連続的な高周波成分の多い音。(弦楽器の弓による演奏、木管楽器)

はじく音:トランジェント特性、ダイナミック・レンジの広いリニアリティーが要求される。
こする音:帯域バランスが絶対に必要。


・ワウ・フラッターの影響(レコードやテープなど)
ワウ:比較的長い周期の回転ムラ。ピアノやパーカッションの立ち上がりや余韻が「プォーン、プォーン」というように震えてくる。ピアノのタッチやフルートの音を聞くと分かる。


フラッター:ワウと比較して短い周期の回転ムラ。クラリネットやサックスなどのリード楽器が濁って聞こえる。ヴォーカルで声を張った時に うがい をするようなヒリヒリとした音に感じられる。音の艶が不足して、ドライで乾燥して滑らかさが不足する。中~高域楽器(クラリネットやオーボエ)の音を聞くと分かりやすい。


・スピーカー
概して海外性のスピーカーは音楽を音楽らしく鳴らすものが多い。日本製は音楽を情報信号として伝えるイメージ。


・現実の音
平面波の音は形状歪みのない素直な音だが、現実の楽器の音は球面波に近い。平面波は指向性が強く、球面波は音源から遠ざかると放射状に音が広がる。


・高域の音と日本人の耳
人間の耳、特に日本人の耳は高域に対してデリケートで、ちょっとした汚れや粗さを感知する。きれいな高域とは、周波数帯がよく伸びていることと同時に、歪みが少ない、ノイズが少ない点が特徴。


・スピーカーの周波数帯
20Hzまでフラットに出るスピーカーはほとんどない。一般的には40~50Hzが下限。ピアノの最低音は30Hz近辺。感覚的には50Hzまで出れば低音不足は感じない。


・音域の定義
 低音:20~200Hz
 中低音:100~500Hz
 中音:200~2kHz
 中高音:2k~8kHz
 高音:2k~20kHz


・聴覚障害
ヘッドホンを使って大音量で聞いていると、耳を悪くする。聴覚障害は、高い周波数の方から起こる。4kHzでの感受性の落ち込みが最大。さらに周辺の2k~8kHzの感受性が低下する。


・ヘッドホンの音
ヘッドホンを使うと歯切れの良い音になる。
理由は、①周囲の騒音がないため、細かい音まで聞こえる。②部屋の残響がないため、音がぴたっと止まる。


・部屋鳴り
カーテンを使うと、部屋鳴りを改善できる。部屋鳴りは中・高音域の響きを低下させる。また、部屋のコーナーに丸めたままのカーテンを吊るすと、低音域を吸収してくれる。木製の家具は低音で共振して音を吸収する効果がある。
厚いじゅうたんやカーテンのある部屋は残響がなく、デットな鳴り。音楽を聴くには不向き。ほどほどの反射音がある方が落ち着く。(→反対意見あり。リンク)


・CDの特徴
雑音が少ない。音の歯切れが良い。従来のアナログ・ディスクにみられるようなゴースト(プリ・エコー、ポスト・エコー)も皆無。


・ステレオ
大編成のオーケストラはステレオ感を表現できる。ギターのソロのような音楽の場合は、むりにステレオ感を強調すると、不自然なものになってしまう。


(2009/4/16記)


 

オーディオ基礎知識401 (オーディオ選書―オーディオ基礎講座)

オーディオ基礎知識401 (オーディオ選書―オーディオ基礎講座)

  • 作者: 音楽之友社
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 1985/10
  • メディア: 単行本

 

 

 


学研電子ブロックのひみつ 大人の科学編集部   [4:オーディオ関連]

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1976年に学研から発売された電子ブロックは、電子部品の入ったブロックを組み合わせて回路を作り、さまざまな実験ができる電気実験キット。2002年に復刻版が発売されています。

音楽の録音やオーディオについて深く知りたいのであれば、電気回路で遊びながら音と電気の結びつきを感覚を身につけていくのが早道、と考えているので、このブログで「電子ブロック」を取り上げてみました。

オーディオや録音関連の本では、「周波数」「電圧」「コイル」「ノイズ」「インピーダンス」「回路」「波形」「アース」など、電子工学関連の用語がポンポン出てきます。

これらすべての言葉を完璧に理解する必要はないと思いますが、例えば周波数ひとつとっても、感覚的にこれらの要素を把握できないと、録音音源の調整を行なう際に「何を動かしたら音がどのように変化するか?」というイメージができないのです。

電子ブロックで遊べば、少なくとも電子回路の基本原理は分かるようになります。また発振によって音が出る回路中にある抵抗やコンデンサを変えるだけで音の高さや伸びの変化を実感できます。

実験というよりも遊び感覚で、時々取り出しては回路をいじっています。

現在発売されている電子ブロックには、オリジナル版と同じ内容の回路図のついた冊子が入っているのですが、回路の説明が素っ気無いので、回路を作ったらおしまい、という感じでした。

「回路の作動原理を説明した本はないかなぁ・・・」と探していて見つけたのが、この『学研電子ブロックのひみつ』。回路のしくみが分かるので、実験がさらに楽しくなることうけあいです!

なお、電子ブロックに含まれる音に関係する実験回路は以下の通りです。

 ・各種ラジオ回路
 ・アンプ(マイクの音をスピーカーから出す)
 ・発振回路(いろいろあり)
 ・周波数倍音機
 ・騒音測定器
 ・火花電信
 ・無線電信
 ・電子メトロノーム(ブロッキング発振)
 ・音声レベルメータ

 

(2009/4/5記)


   

<Amazon> 

   

        

   

   学研電子ブロック 復刻版 解説本


入江順一郎のオーディオ・ベーシック講座 入江順一郎著 (1988年) [4:オーディオ関連]

 

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「週刊FM」誌に連載された表題の講座を一冊にまとめたもの。

時代背景がレコード・カセットからCDに置き換わりつつある頃のものですので、いずれの音楽フォーマットについても動作原理や音に影響する因子について分かりやすく説明されています。最近はデジタル・オーディオばかりになってしまいましたので、こういった機器の作動原理の解説をみかけなくなりました。

「オーディオは感覚で覚えて欲しい思っている」と著者はあとがきで述べています。目に見えない抽象である「音」の再生・録音に関して、各機器が果たしている役割をイメージするのにこういった本が最適だと思いました。



<ノート>

・アンプ
本当のところ、アンプはない方がよいと思っている。アンプがあるからアンプの音質がどうのとか、重量がどうのとかの問題が出てくるわけで、レコードのカートリッジから直接スピーカーにつないで鳴らすことができれば最高。


・ラウドネスのスイッチ
音量が小さい時は、人間の耳の高音と低音の感度が低下するので、これらの音を強調するのが「ラウドネス」の機能。


4kHz付近の音
4kHz付近が耳の感度のよい領域。日常生活でイヤな音(キーキーする音)もこのあたりの周波数。オーディオでここの音が出っ張っていたり、粗い音になっていたりすると、やかましく感じたり、音がやせたり、高音域が伸びていないように感じることがある。


・3ウェイスピーカー(大→小へ、ウーファー、スコーカー、ツゥイーター)
スコーカーは中音域を担当し、音楽で大切なボーカルの帯域を確保するのが目的。スピーカーの振動板の材質は、なるべく統一した方が音のつながりがよくなる。(音色が統一される。)スピーカーのコーンの材料は、以前は紙だった。ウーファーはカーボン材が多い。求められる材質は、軽くて強度があり、材料中に適度な隙間があるもの(内部損失が大きくなる)。


・周波数の分配
3ウェイスピーカーへ入力する信号は、周波数帯によって分配する。そのためにはコイルとコンデンサを組み合わせて使う。コイルは高い周波数ほど通しにくく、コンデンサは逆の性質を持っている点を利用する。


・スピーカーの台
コンクリートブロックは使用してもよくない。全体に音がパサついた感じになり、低音も部分的に固まって低い方に伸びてくれない。
金属製の台:音にメリハリがついてしっかりした音になる。
木製の台:響きがよく、自然な感じ。


・スピーカーのケーブル
なるべく太いケーブルを短く使用するのが原則。


・CDのフィルター
CDでは高周波域のノイズをカットするため、ローパスフィルターが使われている。アナログ・フィルターでは20kHz以上の周波数帯に急激な減衰曲線をもたせることが難しい。急峻な減衰特性を持たせると、高音域で位相の反転(信号の進み遅れ)を生じて、音場感に影響が出る。通常はデジタルフィルタを使う。


・カセットデッキ
テープに使われている材料の磁気特性の関係で、そのまま録音すると音が歪むため、バイアスをかける。100kHz前後の周波数を使う。テープでは広域でヒス・ノイズが発生するため、録音時に高域のレベルを上げて録音し、再生の時はその分レベルを下げることでノイズを低減させる。


・テープに発生するワウ・フラッター
6Hzを境にして低い方の回転ムラをワウ、高い方をフラッターと言っていた。ワウは音がワウワウという感じ、フラッターは音が濁る。

(2009/4/9記)

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入江順一郎のオーディオベーシック講座 (オーディオ選書)

入江順一郎のオーディオベーシック講座 (オーディオ選書)

  • 作者: 入江 順一郎
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 1988/10
  • メディア: 単行本

 

 

 


続・オーディオ常識のウソ・マコト 千葉憲昭著 [4:オーディオ関連]

オーディオのビギナーがデジタル・オーディオを楽しむための考え方をやさしく解説した本。

周波数と音の高低の関係を理解していないと内容が理解できない部分があり、初心者には難しい部分もあります。技術的な用語の解説は参考になります。

オーディオ関連の評論では、「音のよさ」に関する議論において何を基準に良し悪しを判断しているのか分からないケースが多いのですが、この本では冒頭で「物理的によい音」と「心象的によい音」を定義してから解説している点に好感を持ちました。



<ノート>

・音の定義
「物理的によい音」・・・周波数特性、歪み率、S/N比に優れる。
「心理的によい音」・・・真空管アンプの歪みの音など。(音を曇らせる)


・モコモコした音
基本波が強すぎて、メリハリを決める高調波の比率が低い。


・ステレオ録音
左右のマイクから録音すると、音が「引っ込む」。これを防ぐには、モノラルで録音し、左右均等にミキシングする。


・iPod Nanoの音
低音で「ズン」と響くところで「バリッ」と音が割れた。音がひずむと、高次の奇数次の高調波が発生している。


・割高なマイクの集音特性
割高なマイクでは、雑音をカットするため高音や低音の感度を下げているものがある。
高音部:周囲からのカサカサした雑音をカットする。
低音部:振動性の雑音をカットする。


続 オーディオ常識のウソ・マコト―デジタル時代の「よい音」の楽しみ方 (ブルーバックス)

続 オーディオ常識のウソ・マコト―デジタル時代の「よい音」の楽しみ方 (ブルーバックス)

  • 作者: 千葉 憲昭
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 単行本

 

 

 


発明戦争 エジソンv.s.ベル 木村哲人著   [4:オーディオ関連]

音響、映像、無線、ラジオの発明に関する歴史をまとめた本。

偉人伝とは異なる真実のエジソン像を描き出そうとするコンセプトは、事実の探求において技術者らしいアプローチで迫っており、好感が持てます。


・エジソンとベルの開発方法
エジソン:腕のいい技術者を集めて発明工場をつくった。特許で技術を囲い込み、ライバルと戦う。エジソンは先祖の代から反抗の人。学者へのコンプレックスから理論を侮辱するのが欠点。

グラハム・ベル:物理学者と機械技師を組み合わせて、発明を企業化した。特に真空管など電子回路の時代になると、この形態で企業が発展した。


・蓄音機
エジソンの蓄音機は円筒に直接音による振動を刻み込む形式。垂直記録の円筒式の方が、その後普及した円盤式よりも大きな音が出た。実際に聴き比べてみると、圧倒的に音質がよい。真空管による振動の増幅が可能になってから、円盤式レコードの時代になった。


・アンプ
レコードに刻まれた音を真空管で増幅するのは、針の振動を直接増幅する場合に比べて不自然であり、邪道であると考えられていた。


・コンセント
昔は電灯しか電気機器がなく、コンセントがなかった。コンセントが作られたのは、電気蓄音機(電蓄)の電源用のため。初期のコンセントは電気スタンドにつけられていた。電気ソケットからコンセントを分岐するために二股ソケットを考案したのが松下電器。


・映画
初期のサイレント映画(映像のみの映画)は、電灯、写真、化学薬品、モーターとメカニズムが結合して誕生した。トーキーはこれらに加えてさらにマイクと真空管が加わった。


・ベル研
トーキーに必要なあらゆる機材をベル研は開発した。これらの音響システムをWE(ウエスタン・エレクトリック)から発売した。最初はリスクを恐れてどの映画会社も手を出せなかった。後にトランジスタを発明したのもベル研である。


(2009/3/17記)


発明戦争―エジソンvs.ベル (ちくまプリマーブックス)

発明戦争―エジソンvs.ベル (ちくまプリマーブックス)

  • 作者: 木村 哲人
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


オーディオの一世紀 山川正光著 [4:オーディオ関連]

蓄音機、電話、ラジオ、テレビなどの開発の歴史がまとめられた本。

特にレコードの規格が決まるまでの流れは圧巻でした。木村哲人著「発明戦争」とあわせて読むと楽しめるのではないでしょうか。音響機器の発達の歴史は、人間が「よりよい音」を求める過程を強く反映していることがよく分かります。



<ノート>


・スピーカーの歴史
スピーカーの材料の選択は、航空機のそれと共通している。以下の特性が求められる。
・軽いこと
・剛体であること
・内部損失が大きいこと

スピーカーの振動板に使われるものは、よくすきこんだ紙、ジュラルミン、チタン、セラミックスなど、ロケットなどに使われる耐熱材料にまで及ぶ。


・CDの影響
ソニーはトランジスタを採用したアンプで業界に登場。CDの導入により、高S/N(シグナル/ノイズ)比、低歪み率のアンプが求められるようになった。

(2007/7/16記)


 

オーディオの一世紀―エジソンからデジタルオーディオまで

オーディオの一世紀―エジソンからデジタルオーディオまで

  • 作者: 山川 正光
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 1992/12
  • メディア: 単行本

 

 


オーディオ道入門 著者:嶋護、加藤しげき、小野島大、大里俊晴、伊藤賢、奥村佳郎 [4:オーディオ関連]

音楽鑑賞のための道具である「オーディオ」の視点から、特に音場の作り方について詳しい解説がなされています。

この本を通じて、自分が好きな音楽に「透明・繊細」な傾向があることを発見しました。

録音作業に関して、マイクの設置やアレンジを考える上でヒントになることが多く、読後は録音方法に対する考え方が変わりました。料理と同じく、地域によって音の味付けが違うんですね。


<ノート>

・録音レンジに対する考え方
 昔はレンジを広く取ってアンビエンスまで録音していた。最近ではアンビエンスのような「極低音」をノイズとしてカットしてしまうため、臨場感が失われてしまった。


・音に対する考え方と国民性
西洋音楽のルーツは「教会のホール」の音。残響が多く、低音の響きの大きい音色が好まれる。イギリス、アメリカに顕著な傾向。フランスは中庸な音、ドイツは残響の少ない音を好む。日本人はドイツの音を好む傾向がある。


・オーケストラとジャズの音
オーケストラは広いレンジで、繊細であり、臨場感を大事にする。ジャズは酒場の音楽。各楽器の音をダイレクトに広い、PAから出力する。力強さや存在感を重視。中低音に重きをおいた音。
臨場感や繊細さを求めるヨーロッパでは、広いレンジで録音できるコンデンサマイクのメーカーが発達。一方、力強さやダイナミックレンジの大きい音が録音できるダイナミック型マイクはアメリカのメーカーが強い。(シュアーなど)

オーケストラ:原音完成型
ワンポイント・マイクでの集音に適する。音場において音楽が完成している。十分な響きのある会場内で各楽器の音が混じりあう。

ジャズ:原音場未完成型
多数のマイクで集音する。音の小さいボーカルやピアノはマイクで音を拾う。このため、PAが発達した。


・アメリカの音楽の地域性
西海岸:透明、繊細、ナイーブ色彩の音楽
東海岸:力強いジャズ。超メリハリの効いた豪快な音。


・最近のJ-POP
最近のJ-POPは録音レンジが極端に狭い。中音域に音が集中。スピーカーでいえば「ボーズ」的な音。


(2007/4/24記)  

 


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