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【動画】「Anji」の弾き方 ~『Live from New York City 1967』バージョンを中心に~      [6.ソロギター演奏関連]

 

自分がソロ・ギターの世界にはまるきっかけとなったのは、サイモン&ガーファンクルのアルバム「サウンド・オブ・サイレンス」に収録されていたポール・サイモンによるインストロメンタル曲、「アンジー」でした。


昔からギターをやっている人は「アンジー」をきっかけにして、2000年代以降は「押尾コータロー」や「ソロギターのしらべ」に触発されてインストロメンタルのソロ・ギターを始めた方が多いのではないでしょうか。

 

日本でギターのインストロメンタルが浸透し始めた1970年代後半。インストの黎明期にはほとんどの人がアンジーを弾いていたようです。塩見元彦氏のHPには次のような記述があります。(以下引用)

今でこそフィンガースタイルのギターを弾くアマチュアは大勢いるし、CDを出す日本人も少なからず出てきたが、当時(注:1978年)、国内のプロはイサトさん一人で、あとは大阪周辺に住むイサト教室の生徒くらいしか、ギターインストを弾く連中は居なかったと思っていた。もし、それ以外にギターインストを弾く人がいたら、その人は10人中9.9人は“ANGIE”を弾いていた(笑)


...当時のソロ・ギター好きにとって、アンジーのコピー率がいかに高かったか分かりますね。


「アンジー」をきっかけにしてウィル・アッカーマンや押尾コータローなど様々なアーティストの曲をコピーしてきました。今になってつくづく感じるのは、「『Anji』の練習で指を鍛えられて、本当によかった。」ということです。


この曲をコピーするには長い時間がかかりましたが、ここで身につけた様々なテクニックは、後になって他の曲をコピーする際にとても役に立ちました。

 

~「アンジー」のコピーを通じて覚えたテクニック~


・親指ベース音とメロディー音の独立        ・・・ソロ・ギターの基本奏法

・ハンマリング、プリング、スライド、チョーキング  ・・・ギターの基本テクニック

・ベース音のハーフ・ミュート奏法          ・・・ブルースギターの基本テクニック

・スタッカート                ・・・音を意図的に「切る」ことで、ノリを生み出す。


2003年末にサイモン&ガーファンクルのライブアルバム「Live from New York City 1967」が発売されました。この中に「アンジー」が収録されているのですが、「サウンド・オブ・サイレンス」とはキーや弾き方が異なっています。たまたまこの曲を聴いてコピーしたくなり、MP3プレーヤーで再生を繰り返しながら音を拾ってみました。

 


 

◎ 『Live from New York City 1967』の「アンジー」のコピーについて


このライブ版に収録されている「アンジー」は「サウンド・オブ・サイレンス」に収録されているバージョンといくつか違いがあります。


「サウンド・オブ・サイレンス」のバージョンから「ライブ・フロム・ニューヨーク・シティ 1967」のバージョンに弾き方を変える場合、次のような点を意識して弾いてみました。


1.カポの位置:2→3フレットへ。

2.イントロのベース進行:E音→G音→F音→E音のうち、最初のE音がA音になる。

3.中盤のブレイクするところの弾き方が変わる。

4.全体的に2弦の弾き方を強めにする。弦を引っ張り上げて「ペシッ」とフレットに叩きつける感じの音にすると、雰囲気が出る。

5. 2弦3フレットのチョーキングを強めにする。

 

ビデオカメラが壊れてしまったので、代わりにデジカメで演奏を撮影して、YouTubeにアップしてみました。

完璧なコピーではないため、微妙にベース音やメロディーが変わっていますが、そのへんはご愛嬌ということで・・・[わーい(嬉しい顔)]

 

 

 


 

『Sounds of Silence』の「アンジー」のコピーについて


先にライブバージョンのコピーについて紹介しましたが、このアンジーの演奏は「サウンド・オブ・サイレンス」に収録されているバージョンをベースに変更を加えたものです。

 

こちらの「アンジー」のコピーについて、わたしは耳コピができなかったので、楽譜集「サイモン&ガーファンクル・サウンド」(シンコー・ミュージック、1981年発行 著者・採譜:大塚康一)に載っていたアンジーの楽譜を使ってコピーしました。


これまでに見たことのある楽譜の中で、「これはいい!」と思っているのが、アコースティック・ギター・マガジン vol.19に収録されている楽譜。(採譜:石沢功治)残念ながら現在は絶版のようですが、弾き方について細かく注意点が載っていておすすめです。


アンジーを弾くうえでわたしが「これはポイント!」と思っている点を、「アコースティック・ギター・マガジン vol.19」の楽譜をベースに拾ってみました。(以下、カポのあるフレット=0フレットと定義して表記しています。)

 


1.ベース音のミュートについて


アンジーのコピーを始めてしばらくすると、指は思い通りに動くようになってきましたが「なんかCDの音と違うなぁ・・・」と違和感がありました。


ある時、「ベース音をミュートするとCDと同じニュアンスが出る」ということに気づきました。「アンジー」を弾く際には、ブルース奏法では常識となっている「低音弦のハーフ・ミュート」が必須なのです。これによって低音弦の音の伸びが抑制され、高音弦のメロディーがきれいに抜けるようになります。


上に紹介したどちらの楽譜においてもこの「ハーフ・ミュート」の記載がなぜかありません。これは常識なのかもしれませんが、何も知らない初心者では気がつきませんので、ここであえて指摘させていただきました。

 

「ハーフ・ミュート奏法」の参考書として『アコギがうまくなる理由 ヘタな理由』を挙げておきます。(P.67に解説があります。)

この本では他にも基本的なギターテクニックについてうまく弾くためのコツを具体的な動きのイラストとコメントを組み合わせて解説されており、理解しやすいので、お気に入りの一冊です。

 

実際の演奏の参考として、わたしの演奏動画を挙げておきます。

手首をギターのブリッジの低音弦付近に軽く触れるように置く点がポイントになります。

 

  


 

   

通常の演奏に対して、半分の速度で弾いた動画も撮影してみました。

   

 


  

2.[A]メロのFコードの押さえ方について


アンジーのAメロのコード進行は「 Am - G - F - E 」となっています。このうち、Fコードの部分については人差し指をバレーして押さえるやり方と、親指をネックの端に回して6弦1フレットを親指で押さえるやり方(ウエスタン・グリップ)があります。


わたしは当初バレーの方法を使っていましたが、YouTubeの動画でウェスタン・グリップの方法を見てから、「こちらの方が便利だ!」と気づいて奏法を変えました。やろうと思えばどちらでも弾けると思います。


ウェスタン・グリップを使う場合、ギターのネック形状およびネック両端(とフレット端)の形状によって押さえ易いギターとそうでないギターがでてきます。わたしはアストリアスのギターを使っています。このギターはネック両端を微妙に削ってアールをつけてあり、さらにフレット端も指が引っかかりにくいように処理されているため、親指で6弦を押さえやすくなっています。


これとは別に特注の手工品ギターも使っていますが、アストリアスのギターをわざわざビルダーに送ってネック形状を完全にコピーしてもらいました。演奏性に直結するので、ネックの形状にかなりこだわっています。

 

09122neck.jpg


ネック端部の形状。指板の側面が微妙に削られています。

 

09121necksidebig.jpg


拡大したところ。
 

 

3.[B]メロ 2弦3フレットのチョーキング


YouTubeの動画をいろいろ見ていると、「アンジー」で頻繁に使われる2弦3フレットのチョーキングに使う指は「薬指派」と「小指派」に分かれています。自分はAmのコードを押さえたままチョーキングしたいので、「小指派」です。


スタンダードなやり方は、薬指を使って6弦側にチョーク・アップする方法ではないかと思います。


わたしは小指を使って、チョーキングのセオリーとは逆に1弦側に弦を引っ張ってチョーク・ダウンする方法を使っています。左手の指を脱力した状態から「グー」にすると小指がキュッと縮まります。チョーク・ダウンはこの動きを利用しています。

 


4.[E]メロ 2音を連続で同時に弾く部分について


曲中で1,3弦の5フレットを弾くところ(曲中で最も高い音になる部分)に入る手前に、スライドを入れてみました。「サウンド・オブ・サイレンス」のバージョンではスライドしていません。ここにスライドを入れるかどうかで微妙に曲のニュアンスが変わります。

 

【関連サイト】

 【動画】「Anji」をゆっくり弾いてみました [Anjiの弾き方]

 


 

【おまけ】


YouTubeのAnjiの動画の中に、「Kraft Music Hall」というタイトルでサイモン&ガーファンクルがスタジオ演奏しているものがあります。この中でアンジーが披露されているのですが、その前振りでポール・サイモンがアンジーについてこう語っていました。


When I was there(England), I became friends with a blues guitarist Davy Graham, who tought me a guitar piece called "Anji".

(僕がイギリスにいた頃、デイビー・グレアムというブルースギタリストと友達になりました。彼が「アンジー」という曲を教えてくれました。)


「アンジー」の作者はデイビー・グレアムですので、このMCが正しいとすれば、ポール・サイモンは作者から直接「アンジー」を習ったことになりますね。

 

 


  

 【ご参考

 

ライブ・フロム・ニューヨーク・シティ 1967

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2003/12/17
  • メディア: CD

 

 

Sounds of Silence

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2001/08/22
  • メディア: CD

 

  

 

アコースティック・ギター・マガジン 19 リットーミュージックMOOK

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: エス・アンド・エイチ
  • 発売日: 2004/01
  • メディア: ムック

 

 

ギター・マガジン アコギがうまくなる理由 ヘタな理由(CD付き) (リットーミュージック・ムック)

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  • 作者: 田光 マコト
  • 出版社/メーカー: リットーミュージック
  • 発売日: 2008/01/17
  • メディア: ムック

 

 


 



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